ロードバイクのスローライドで遅筋のトレーニングとメタボ解消:マフェトン理論、敗れたり!むしろ、「ためしてガッテン」理論!
22-August-'09 09:06
Age: 1 yrs



Category: Bicycle, Research



某公共放送の「ためしてガッテン」で再び「超らくジョギング革命」の特集がありました(2009年08月05日放送)。これ何か良さそうです。LSD?マフェトン理論?心拍数を指標とした運動強度70%で脂肪燃焼云々は何か間違っていたのでしょうか?大きな違いは血中の乳酸値にあるようです。どうも乳酸値が高くなるのは速筋を刺激しているためで脂肪や糖が効率よく燃焼されていないということのようです。乳酸値を上げないためには歩く速さ位でゆっくり走ることだそうです。心拍数は隣の人と話が出来る程度だそうです。これでトレーニングすると疲れにくい体になれるそうです。そして、階段や踏み台などを使った上り下りスローステップ運動でも同じ効果が得られるという番組内容でした。

それならば、「ためしてガッテン」のスローステップ登坂運動(左右交互に1分間60~80回程度)に近いものを室内用エクササイズバイクで代用してみようと思いました。太もも筋肉への負荷と心拍を目安にすると、スローステップ登坂運動はペダルの負荷最強近くでケイデンス30~40くらいに相当することが分かります。これで1回10~15分、1日2~3回で数日もやるとずいぶん効果が出ているような感じです。しかも、これなら不思議と飽きません。速筋を刺激しないために乳酸が発生せず血中の乳酸値が低いからでしょうか?これまでは、直ぐ飽きるのを我慢してマフェトン理論の心拍数を目安に運動強度70%と軽めのギア比で高ケイデンスくるくるペダリング(90rpm)で頑張っていたのに、どうも効果が出ていないように感じていました。実は、ケイデンスを概ね50以上(個人差あり?)にすると筋肉の収縮速度が上がるので速筋を刺激してしまいます。そのために脚の筋肉と血中の乳酸値が上がってしまいます。名前の通り遅筋は収縮速度が遅いので速く収縮させようとするとギブアップしてしまいます。遅筋を鍛えるためにはギブアップしないようにケイデンスを下げてある程度負荷をかけたペダリングをする必要があるということです。

それでは、エクササイズバイクで負荷最強の強度は、実際に外でロードバイクに乗った時のどの程度のギア比に相当するのでしょうか?試してみました。その結果、フロント53T-リア11Tの立ち漕ぎでケイデンス30~40で加速して行くのに近いことが分かりました(右のギア比の画像)。リア11Tなんて一生使わないと思っていたのに、、、これからはこれがメインのギア比になりそうです。53T-11Tの組み合わせでケイデンスを47にすると速度は28km/h程度になります(ので、実は遅筋のトレーニングのためにはもっと高いギア比が欲しい!53T-10Tとか、、、)。

早速、いつもの40kmコースを高ギア比スローケイデンスで走ってみました。驚くべき結果になりました。40km走っても全く疲れませんでした。疲れないので給水以外は全く止まる必要もありませんでした。遅筋、恐るべし!驚くべきは、コースタイムがこれまでと全く同じです。これまでは、ケイデンス90のくるくるペダリングで40km走ると疲労感一杯でベンチに倒れ込みたいほどになっていました。そのヘロヘロになるまで頑張ったタイムと同じです!(実は、スピードはギア比xケイデンスに比例するので同じだった訳です!)遅筋はこの程度なら全く疲労しません。恐るべきエネルギー効率の差です(下の補足1を参照)。高負荷スローケイデンスの遅筋トレは鼻歌交じり、マフェトン理論の走行はヘロヘロ!今まで心拍を目安にしたLSDで遅筋のトレーニングをしているつもりが非常に非効率なことをやっていたのかも知れません。それで思い出したのですが、ハワイのセンチュリーライドでは日本人だけがケイデンスを上げてくるくるペダリングをしているそうです。ので、遠くから見ても直ぐ日本人だと分かるそうです。日本人以外は本能的に「ためしてガッテン」理論が身に付いているのでしょうか?タイムは同じでも日本人以外は160kmを楽しく走って殆んど疲れていないのかも知れません。

結論:遅筋のトレーニングとメタボ解消を目指すなら、マフェトン理論、敗れたり!という感じです。遅筋を使って脂肪を燃焼するためにはガッテン風の高負荷スローペダリングです。フロントはアウター53T、リアの歯数は11T、12T、13Tをメインに使います。漕ぎ出しやゆるい坂や向かい風は12T、13Tが良さそうです。一旦、走り出してしまえば11Tにして、ケイデンス30~45の加速はできる限り立ち漕ぎです(ここがガッテンのスローステップ登坂運動に近い)。直線路の巡航は11Tでケイデンス50を心掛けます(30km/h程度;追い風や下り坂なら自然とケイデンスが上がるので30km/h以上出てしまいますが)。

運動強度70%のLSDは心肺機能のトレーニングと割り切り(週1回くらいが適当?それ以上はオーバートレーニングかも)、それとは別メニューの高ギア比でケイデンス30~45の立ち漕ぎ加速、巡航ケイデンス45~50のスローライドを毎日、、、健康とメタボ解消のためにはこれで良いのかも知れません。高ケイデンスの速筋トレはレースをやらない限りとりあえず脇に置いておきましょう。上記の番組ではトップレベルのマラソン選手でもこのスロー運動のトレーニングを普段から行っており(トレーニングの基本中の基本)、速くなるには不可欠という指摘がありました。遅筋を鍛えるにはこれしかないと言うことでしょうか。

補足1:速筋のエネルギー源はグルコースで分解産物は乳酸です(無酸素収縮です。速筋は脂肪を燃焼しません。速筋はスピード優先だからでしょうか)。乳酸は反応性が悪いのでどんどん蓄積して行きます。一方、遅筋のエネルギー源は脂肪と糖質で酸化反応により完全に二酸化炭素と水にまで分解されます(これが遅筋が赤く見える理由です;下の補足2参照)。得られるエネルギー量(ATP)には非常に大きな差があり、これが遅筋のスタミナの元です。

補足2:(9月5日)遅筋が赤く見える原因、それは酸化反応を利用してエネルギー(ATP)を生産する”工場”が赤く見えるからです(ミトコンドリア;血を抜いた後でも赤く見える臓器の肝臓や心臓もミトコンドリアを多く含んでいます)。ミトコンドリアには赤いヘモグロビンと化学構造が似ている赤い蛋白(チトクローム;酸化反応を担っている)が含まれています。白く見える速筋にはこの”赤いエネルギー生産工場”が発達していません。








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