普通の脚力の人が”快適に速く長時間走るため”のペダリング(再考その3):ハンガーノック(hitting the wall)と脂肪の燃焼
22-February-'09 02:50
Age: 2 yrs



Category: Bicycle, Research



先週2月14日は夏日になったので久しぶりにいつもの40kmコース(右の画像;iPhoneのキャプチャー;画像が青っぽいので当日は紫外線も多かったのでしょうか?)をライドしてきました。ところが、ちょうど最後の10km位の場所で軽いハンガーノックに襲われました。急に空腹感に見舞われ、力が出せなくなりました。当日はいつもの調子で消化の良いパスタで軽めの昼食でした。しかも食休みを十分取った後なので、胃袋がほぼ空に近い状態で自転車ライドに出かけてしまいました。なので、胃袋にはグリコーゲンを補充する炭水化物が残ってませんでした。それにしても、こんなに早くハンガーノックになるものでしょうか?それとも、運動不足が祟ったのでしょうか?

調べてみました。ハンガーノック(hunger knock)という言葉は英語ではポピュラーな表現ではありませんでした。ウィキペディア英語版の”Glossary of bicycling”によると、最も普通の表現は”hit the wall”というようで、ウィキペディアの該当項目はそちらの方で編集されていました。”hit the wall”という表現は、元々マラソンなどで使われているようで、サイクリングの場合は”hit the wall”というよりも”bonk(名詞;動詞)”と言うそうです(イギリスでは)。

ウィキペディアの”Hit the wall”の項目によると、ハンガーノックは、結局、急性の低血糖症(accute hypoglycemia)と考えた方が良さそうです。そのメカニズムの説明は明快です。元々、普通の大人では、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンの量はカロリー換算で1500~2000kcalということです。そして、普通の大人は高強度のサイクリングやランニングをすると600~800kcal/h位の割合でグリコーゲンを消費するそうです。ということは、エネルギーを途中で補給しない限り2時間少々のサイクリング又は24~32kmのランニングをすると体に備蓄されているグリコーゲンが枯渇するということです。

ハンガーノックになったら休憩して糖分を補給すればいいだけだと思っていましたが、そう単純ではなさそうです。ハンガーノックの初期ならそれでも良さそうですが、ある限度を超えたハンガーノックになると少し休んだだけではもう回復しないそうです。しかも、この時にグルコースになり易い糖分を補給するとインスリンショックの危険性が増大します。あるレベル以下の低血糖時に急激にグルコースを摂取すると一旦は血糖値が上がりますが、インシュリンが急激に分泌されて更なる低血糖”リバウンド”に見舞われます。こうなると生命の危機に関わる極端な低血糖症に陥ることになります(そうなると脳でもエネルギーが不足するので意識も朦朧となります)。

ハンガーノックの予防法は、幾つか考えられるようです。1)Carbohydrate loading(炭水化物ローディング法)。マラソン選手などは競技の2~3日前から余分に炭水化物を摂取するということです(どの程度の効果があるのでしょうか?どの位グリコーゲン量が増えるのでしょうか?)。2)運動中に炭水化物を摂取する(これが普通に実践されている方法です)。ツールドフランスでは必要カロリーの50%は競技中の摂取だそうです。3)心拍数を目安に軽めの脂肪燃焼領域(30歳で心拍130程度)で運動をする。こうすれば、脂肪が燃焼されるのでグリコーゲンの消費が抑えられる、という訳です。

普通の人は2)と3)の組み合わせでしょうか?つまり、普通の人が”快適に速く長時間走るため”のペダリングは脂肪の燃焼強度でするのが良いというような気がしてきました。そして、出発する前と2時間毎に腹持ちの良い炭水化物(おにぎり、もち、などの米系;小麦系やポテト系は消化が早すぎてインスリンが出易い?)を補給することでしょうか?








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